【骨折のメリットを考える】
【骨折のメリットを考える】
いつも行くお店の店員さんが足を怪我している。
「どうしたの~?!」
「ちょっと、段差を踏み外しただけだったんですけどね~。
当たり所が悪かったのか、骨折しちゃったんですよ~。
しかも、やったばっかで~。
まさか、骨折しているとは思わなくて、
ちょっと様子見てたんですけど、どんどん腫れていくから、
休日当番医探して受診したら骨折だってことで・・・」
「え~!!そりゃ大変じゃん!!
やったばっかってことは今痛いでしょ~?
私も、10年近く前に足を骨折したことあるからわかるよ~
めちゃくちゃ痛いよね~。」
「はい。今、だいぶ良いですけど、初日は痛すぎて眠れませんでした~」
「わかる、わかる~。私も初日は眠れなかったよ~。
恥ずかしいけど、痛すぎて、泣いてさ~。
大人になっても、
痛みで泣くことがあるんだってこと経験したくらいだもん。
でも、1カ月くらいで治るって言われなかった?」
「はい。まさしく、全治1か月って言われました~。」
「大丈夫、痛みは峠を越えると、もうほとんど感じないから・・・
生活の不便さも、最初のうちは大変だけど、
徐々にその不便さにも慣れていくから・・・」
私は、自分の過去の記憶を呼び起こし、
できるだけ、安心するような情報を伝えた。
そして、骨折のメリットを考える。
「今は、痛くて大変かもしれないけどさ~。
骨折したことで、日常の些細なことに感謝できるようになったよ~
当たり前のように、ご飯食べたり、家事やったり、働いてたりしてたけど、
当たり前じゃなかったんだな~って。
後、周囲の人の優しさにも触れることができたよ~。
うちの子供まだ小学生くらいだったけど、
例えば、ドア開けてくれたりとか、ちょっとしたことに気付いてやってくれたりさ~。
それまで以上に、自分のことは自分でやるようにしてくれたりさ~。
買い物に行くと、お店の方が親切にしてくださったりさ~。
骨折したことで、いっぱい感謝が生まれたよ~。」
「ほんとに。ここ数日でそれ感じます~。
経験しないとわからないことですよね。」
まだ、やったばっかで、痛みであるとか、
デメリットの方に意識が向きがちな時期なのに、
(少なくとも私はそうだった💦)
今の段階でそう言える店員さんがすごいとおもった。
「ほんと、良い事言うね~。
痛い経験ではあるけど、経験してみないとわからないこと、
気付けないことってあるよね。
私は、骨折した時、自分の不注意を悔やんだけど、
今度から気を付けようとう意識も出来たし、
感謝の気持ちも持てたし、
今こうして、骨折した人に共感できることにも繋がったし、
デメリットばかりじゃないよね。」
この会話を通して、
あーそうだよな~。
こうして、健康で何でもできる事って、
本当にありがたい事なんだよな~。
当たり前のことじゃないんだよな~。
人は支え合って生きているんだよな~。
あの時、しみじみ感じた感情がよみがえってくる。
店員さん、大切なこと想い出させてくれるきっかけをありがとう。
直ぐに良くなるからね。
今は大変かもしれないけど、
くれぐれもお大事にね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
2022年5月1日