【正常な判断ができない理由】
【正常な判断ができない理由】
ここの所、自ら命を絶つニュースが続いている。
ある人との雑談が、たまたま、
このニュースの話題へと移って行った。
その方は、私よりもかなり年上で、
人生経験も豊富。
幾多の困難を乗り越えて、
今は、ご主人、お子さん、お孫さんに囲まれ、
穏やかな生活を送られている。
その方が、ご自身のお考えを私にこう話してくださった。
「コロナで生活環境が変わったり、収入が減ったり、
確かにデメリットは多いかもしれない。
職業によっては、デメリットが顕著な人もいる。
でも、例えばだけど、
ウクライナで大変な想いをしている人たちから比べれば、
まだ日本で、日々の生活を営めるだけでもありがたい。
とか、心配事ばかりに目を向けるのではなくて、
周りを見て、何とかなりそう!ということにも目を向けるとかすれば、
命を落とすことまでの考えには至らないのではないか?」
と・・・。
苦しい時期を乗り越えたからこそ出てくるご意見だと想し、
本当にその通りだとも想うし、私もその意見には賛成だ。
しかし、うつ病経験者としては、
それでも、そういう行為に至ってしまった経緯が、
何となくわかる。
これは私の経験だが、うつ病の時は波があって、
気分が良い時(というか体調が良いと気分いい感じに振舞える時)と
悪い時がある。悪い時にも程度があり、
どん底の時は、正常な判断ができない時がある。
今、あの時の自分を振り返ると、何であんな考え方に至ったんだろう?
と思うようなどうしようもなくネガティブな考えをしていた。
でも、当時の自分はそれが健全な考えではないと思えていない。
自分だけの狭い空間の中で、どんどんどんどん
ネガティブな深みにはまっていく感じだ。
私は、運よく命を落とすまでには至らなかったが、
一歩間違えたら、そうなっていたかもしれないと想うこともある。
だから、
健全な人がおっしゃる意見はごもっともだと思うし、
私もその通りだと思うのだけれども、
もしも、亡くなった人のことを
「理解できない!」とか「考え方を改めればいいんじゃない?」
みたいに、想う人がいるのであれば、
精神的な病気がそうさせている場合もあるということを、
知ってほしい。
そうならないようにするために私は、
自己肯定感を高めることの必要性と重要性をうったえ、
「自分を大切にする」人生を送ることの大切さを伝えている。
最後までお読みいただきありがとうございます。
2022年5月12日