【自尊心の備蓄】
【自尊心の備蓄】
ヴィクトール・E・フランクル著
を読み終えた。
人間の心、心の持ち方、在り方、
精神性、生きる意味など様々なことを、
考えさせられたり、気付かされたり、
涙なしでは読むことができない本であった。
生存率が極めて少ないナチスの収容所生活の中で、
著者が何故生き延びることができたのか?
「何千もの幸運な偶然」と著者が記す通り、
これだ!!という1つの答えが明記されているわけではないのだが、
自己肯定感(自己受容・自己信頼・自己尊重)を
人生のテーマとしている自身にとって、
印象深かったのは、下記の2つの文章だ。
「強制収容所の人間は、みずから抵抗して自尊心を奮い立たせないかぎり、自分はまだ主体性をもった存在なのだということを忘れてしまう。」P82
「収容所にいてもなお人間として踏みとどまり、おのれの尊厳を守る人間になるかは、自分自身が決めることだ。」P111~112
自尊心を持っていたから生き延びることができた、
ということまでは言及できないが、
少なくとも、想像を絶する劣悪な環境下の中で、
「自分」という存在を感じ生きていることで、
生きることへの炎をともす力にはなっていたのではないか?
と推測する。
何故なら私がうつで苦しかった時のことを振り返るに、
この「自尊心」「自分の尊厳」をしっかり感じることができていたなら、
自分の存在を消したいと想うこともなかったと想うし、
そもそもうつ病にもなっていなかったとも想うからだ。
人は、災害などに備えて、食料などを備蓄する。
その意識はとても大切だと想う。
それと同じように、心の栄養にも備蓄が必要なのではないだろうか?
人生にはいろいろなことが起こる。
楽しい事ばかりとは限らない。
心にダメージが起きることも時には起こる。
そんな時、心の状態がそもそも悪く枯渇していたら、
その出来事はダブルパンチ。
それで倒れてしまう場合だってあるかもしれない。
一日一日を大切に、自分を大切に、基本中の基本の生活。
当たり前だと想わずに、基本に返って、
改めて自分を大事にすることを丁寧に行っていきたいと
想うのであった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
2022年3月26日