【ハプニングには意味がある②】
【ハプニングには意味がある②】
ふと目にした、高松行の「快速マリンライナー」に
乗ったことがきっかけで、
一時的に四国に足止めをくらった私。
岡山で起きたゲリラ豪雨が原因で、
電車がストップしたからだ。
高松で、ジェラートを食べ、
岡山行の快速電車に乗ったのが、お昼頃だった。
瀬戸大橋手前ぐらいで、電車がストップし、
高松に引き返してきたのだ。
ひとまずは、高松駅の駅ビルのカフェで、
これからの行動について、作戦を練り直すことにした。
どうせならこのまま四国観光しようか?とか、
徳島の方から兵庫にバスで出ようか?とか、
松山からフェリーで呉に出ようか?とか、
色々検索しまくった。
しかし、もともと予算が限られた旅。
ホテルも1泊5000円程度でないときついし、
青春18きっぷなら無料で本州に戻れるが、
バスやフェリーは1泊の宿泊費に相当する。
四国内の移動も時間がかかりそうだった。
色々考えていたら、もうどうしたら良いかわからなくなり、
時間はただただ過ぎるし、焦ってくる・・・。
そんな自分を、あ~今自分、思考に走ってるな~。
と客観視し、
直感的な行動に戻そう!楽しもう!と気を取り直した。
そこで、もう検索をやめ、店を出て行動に移すことにした。
駅ビルを出ると、観光案内所が目に入った。
ちょうど、窓口もすいていたので、藁をもすがる思いで尋ねた。
その時は、自分の中でも自分の気持ちが整理できておらず、
案内所の方と会話がかみ合わない。
案内所の方もそれを悟ったのであろう。
私にこんな質問をしてくださった。
「本州に戻りたいのですか?
それとも、四国を観光したいのですか?」と。
はっとした。
私は、電車が止まっている間、四国観光も良いかな~と想っていたが、
やっぱり、できるだけ早く、本州に戻りたいという気持ちが強いことに、
この質問で気が付いた。
「できたら本州にもどりたい。」そう答えると、
「だったら、坂出の方に行っておいたらどうでしょうか?
瀬戸大橋の道路の方は通行止めになっていないので、
坂出だったら、レンタカーもあるし、
もし、電車が動き始めたらすぐに乗れるし、
電車が動かなかったとしても、もう今日は乗れませんが、
バスも出ているので始発に乗れば明日の早い時間に、
岡山に行かれますよ。」と。
そして、坂出の観光マップを指さしてくださった。
そして目についたのが「東山魁夷せとうち美術館」の文字だ。
すっかり忘れていたが、いつか四国に行った時は、
ここを訪れたいと想っていた場所だった。
「ここに行きたいです!!このせとうち美術館に!!」
「ここに行きたいのであれば、やはり坂出に出てもらうといいですよ。
バスが出てますから。」と・・・。
もう迷いはふっきれた。
目的地は「東山魁夷せとうち美術館」!!
高松であれやこれや考えてた時間や、
坂出までの普通列車での移動時間、
美術館行のバスがそんなに沢山無いことが理由で、
美術館に着いたのは、閉館の約30分前。
こんな時間に訪れる人は私しかおらず、
あの東山魁夷画伯の絵を、1人、貸し切り状態で観られる、
というなんとも贅沢な30分を味わった。
帰りは終バス。待ち時間がすごくあった。
その時間も楽しく過ごすことができた。
何故なら、地元のことを良く知る人と、
たまたま会話が弾み、ローカルな話を色々うかがえたからだ。
「この辺りは、昔海だったんですよ~。
この辺りは全部埋立地です。
川崎重工や、三菱などの大企業が、大きい工場を建ててね~。
5年くらい前にはLionさんも入ったんですよ~。
今は休日だから閑散としているけど、平日は、
この辺りの3車線道路は通勤ラッシュで大渋滞ですよ~。
でも、人は住んでいないんです。
だから、埋立地ではない場所にあるもともと住んでいた
人達の集落は過疎化が進んで、小学校は廃校、
中学も今年で廃校になると聞いてます。
瀬戸大橋が開通した30年くらい前は、
瀬戸大橋を渡りたい人が全国から押し寄せて賑やかでしたよ~。」
坂出駅に戻ると、電車はややダイヤに乱れはあるものの、
通常運転に戻っていた。
このハプニングは、
東山魁夷美術館に訪れるきっかけを与えてくれ、
せっかく訪れた土地のことを知るために、
出会いも与えてくれたんだな~。
と捉えている。
もともと、岡山の次は京都周辺に泊まろうと想っていた。
到着は真夜中になってしまったが、結果そうなった。
全てが上手くいっていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
2022年8月14日